こんにちは。ミニマムライフ世代ブロガーのたっくです。
このブログを見ているあなたは、世代の特徴や世代間のギャップなどに興味を持って(また気になって)いるのではないでしょうか?
例えば、
「世代間での価値観の違いって確かにあるのはわかるけど、具体的にどんな感じかな?」
「ミニマムライフ世代って呼ばれている人は何を考えているのかな?」など。
生まれた歳ごとの世代間の名称はこちらをご参照下さい。
こんにちは。
ミニマムライフ世代ブロガーのたっくです。
僕は1985年生まれの男でございますが、
僕の生まれた世代は、いろいろな呼び方があるみたいですね。世代の呼び方というのは、いわゆる「団塊の世代…」とかそういうものです。
今回は、その中でも政府が支援策の実行することを発表した「就職氷河期世代」について調べていきたいと思います。
あなたが、職場の人材不足に困っている場合などには、「就職氷河期世代」の雇用助成金についても紹介しておりますので、ご参考にしてください。
「就職氷河期世代」とは?
就職氷河期世代(失われた世代) 1970年~1983年生まれ
出典:wikipedia
2020年現在だと、37歳くらい~50歳くらいまでの方の世代になります。
僕の職場でもそうですが、この世代の特徴としては、まずは会社にいる人数が少ないですよね。
ちなみに僕の働いている部署には36歳~40歳くらいの人は一人もおりません。
45歳以上の方は、転職組を含めて、比較的多い印象ではあります。
では、そもそも何故この年代の方が「就職氷河期世代」と呼ばれるようになったのでしょうか?
「就職氷河期」に突入!?
大きな要因としては、やはり「バブルの崩壊」です。景気が後退していく中で、1993年~各企業は新規採用の抑制を始めていきました。
有効求人倍率で比較すると、
バブル景気以前 ~1986年は、0.6倍~0.7倍で推移していたのが、
円高をきっかけとしたバブル景気に入ってからの1988年~1992年までは1倍を上回る状況が続きピークの1990年には1.4倍以上と跳ね上がりました。
では、1993年~ はどうかと言うと、
1993年の0.7倍からどんどん数字は下がっていき、1998年には0.5倍を切ります。
その後、2003年までは0.5倍~0.7倍くらいで推移して、ようやく2006年に1.06倍と1倍を越えるようになりました。
つまり、この1993年~2005年までが「就職氷河期」と呼ばれているので、その年代が大学卒業時であった1970年~1983年生まれの方を「就職氷河期世代」という呼ばれています。
「就職氷河期世代」の特徴とは?
就職氷河期世代の方の特徴としては、このように語られています。
バブル経済がはじけ、長期の景気後退局面へ突入。企業が求人を絞ったために正規社員として就職できず、契約や派遣などの非正規の仕事しか得られなかった人も多かった。
運よく正社員として就職できた人も、入社早々から業績悪化、経費削減、リストラの波にもまれたために、危機意識が強い。
非正規社員として低賃金のまま30代後半~40代後半となったこの世代が社会的に孤立していることを問題視して、政府が就労支援に乗り出している。
出典:nippon.com
2018 年のドラマで「わたし、定時で帰ります。」というドラマがありました。その中の登場人物である三谷佳奈子(演:シシド・カフカ)という人物がいます。
彼女は「就職氷河期世代」で、
「仕事は無理をしてもやることだ。」
「私たちは、みんなそう言われて育ってきたんです。」
絶対に休まない(風邪を引いても出勤する)ことを信条としていて、同じような働き方を新人にも強いてしまう会社員です。
そして、指導担当であった20代の社員が「理解できない。」と言った様子で退職してしまいました。
このように「仕事が出来なければ、要らない。」というようなプレッシャーが強く感じていた世代であるとも言われております。
「就職氷河期世代」の雇用形態
あなたもご存知の通りですが、日本企業では基本的には「新卒主義」を前提とした採用活動を行っております。(一部、中小企業や外資は異なりますが)
新卒一括採用は、企業が卒業予定の学生(新卒者)を対象に年度毎に一括して求人し、在学中に採用試験を行って内定を出し、卒業後すぐに勤務させるという世界に類を見ない日本独特の雇用慣行である。
出典:wikipedia
そして、新卒で企業就職できずに学校を卒業すると、「既卒」という扱いになり、既卒の就職は新卒に比べて業種や職種の選択肢が狭まるため、入社へのハードルが高くなっていくのが一般的です。
なので、新卒での就職活動の際に「正社員」として採用が決まらなかった人は、「非正規社員(契約社員、派遣社員、フリーター)」となる人が多く、1999年(H12)あたりから、その割合がどんどん増加していきました。
下のグラフにも書いてある通りですが、就職氷河期以前の1989年(H1)は、正規(正社員)約81%、非正規社員約19%だった割合が、2015年(H27)には正規(正社員)63%、非正規社員約37%と、正社員の割合はどんどん減少していきました。
現在、30代半ば~40代半ばの約1700万人のうち、就職できなかった人の多くは、非正規社員や無職となり、2018年で非正規社員は317万人、定職についていないフリーターは52万人以上に上ると言われております。
「就職氷河期世代」への支援とは?
そんな「就職氷河期世代」を支援するために2019年6月に政府から発表されたのが、「就職氷河期世代支援プログラム」です。
では、具体的にはどんな支援があるのでしょうか?
「就職氷河期世代支援プログラム」の概要
「就職氷河期世代支援プログラム」とは、
就職氷河期で正社員の内定が獲得できず、現在も不本意ながら正社員として就職できていない30代半ば~40代半ばの人材100万人近くを正社員雇用されるように政府が3年間で集中的に支援していくプログラムです。
その支援の施策の方向性は、大きく2つ。
- 相談、教育訓練から就職まで切れ目のない支援
- 個々人の状況に合わせた、より丁寧な寄り添い支援
それぞれどんな内容になっているのでしょうか?
(施策の方向性1)相談、教育訓練から就職まで切れ目のない支援
その中でも4つの柱があります。
- きめ細かな伴走支援型の就職相談体制の確立
- 受けやすく、即効性のあるリカレント教育の確立
- 採用企業側の受入機会の増加につながる環境整備
- 民間ノウハウの活用
かんたんにいうと、
支援の対象者には「就職氷河期世代」の支援専用窓口などで、キャリア相談や資格の取得を給付金など含めてサポート、採用企業には「就職氷河期世代」を採用した際に助成金を出しますといった内容です。
(施策の方向性2)個々人の状況に合わせた、より丁寧な寄り添い支援
こちらは2つ。
- アウトリーチの展開
- 支援の輪の拡大
ものすごく要約すると、
支援の対象者が自分ではその気がない場合でも、本人以外(例えば、引きこもりの方がいる家族など)にも呼びかけを行い、就職氷河期支援プログラムの周知のためいろいろな外部団体や地域団体と協力をして支援を広げていきますよということです。
この支援を3年間で集中的に取り組むそうです。
採用企業の助成金について
あなたが企業の採用担当だったり、人材不足に困っている部署にいる場合など、気になるのは、採用企業側への助成金ではないでしょうか?
就職氷河期世代の方を採用した際の助成金は、主に4つあります。
- 求職者を一定期間試行的に雇い入れようとする場合
- 正社員経験が無い(少ない)方を新たに雇い入れようとする場合
- 非正規雇用労働者に対して雇用型訓練を実施しようとする場合
- 企業内の非正規雇用労働者を正社員に転換させた場合
今回はその中でも「2.正社員経験が無い(少ない)方を新たに雇い入れようとする場合」を紹介します。
「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)」とは?
採用企業が、就職氷河期世代の方で「正社員経験が無い(少ない)方を新たに雇い入れようとする場合」の助成金として「特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)」が、令和2年2月14日に新設されました。
参考:特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)新設 厚生労働省
雇い入れ日において、下の4つにあてはまる方をハローワークなどの紹介で正規雇用労働者として新たに雇用する事業主に助成金が支給されます。
- 雇入れ日時点の満年齢が35歳以上55歳未満の方
- 雇入れの日の前日から起算して過去5年間に正規雇用労働者として雇用された期間を通算した期間が1年以下であり、雇入れの日の前日から起算して過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない方
- ハローワークなどの紹介の時点で失業しているまたは非正規雇用労働者である方でかつ、ハローワークなどにおいて、個別支援等の就労に向けた支援を受けている方
- 正規雇用労働者として雇用されることを希望している方
支給額は、最初の6ヵ月を第1期、次の6ヵ月を第2期として、2回支給されます。
企業規模により、支給額が異なり、
- 大企業 :第1期 25万円、第2期 25万円、支給総額50万円
- 中小企業:第1期 30万円、第2期 30万円、支給総額60万円
となっています。
参考:特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)事業主 厚生労働省
「人生再設計第一世代」に名称変更!?
「就職氷河期世代」を「人生再設計第一世代」として名称変更するの!?
と話題になりましたが、どうやら名称変更ではなく、「就職氷河期世代」を「人生再設計第一世代」と位置付けて、支援をしていくという方向性(?)の話みたいです。
参考:経済財政諮問会議 内閣府
SNSなどでは、この「人生再設計第一世代」という名称については、「バカにしているのか!?」などのネガティブな声も多いようですね。
「ミニマムライフ世代」である僕も「人生再設計第二世代」なんて呼ばれ始めたら、同じような気持ちになるような気がします…
「就職氷河期世代」の印象は?
あくまで僕の印象ですが、「就職氷河期世代」で中途で入社した先輩や同僚の方々など見ていると、
「仕事においての実務スキルが高い」「コミュニケーションが上手」など会社員としての能力が高い人が多いと思っております。
その反面で、会議などで「バブル世代(以上)の上司にあまり反論しない」印象があるのは、おそらく不遇の時期が長かったからなのでしょうか?
今後、世代交代が起こっていきますが、その時はどのような時代になっているのでしょう…?
このブログが、あなたの職場や周りの方を知る参考にしていただければ幸いでございます。
コメント